僕は、無敵な人間に対して強烈な憧れを抱いている。
無敵の定義は、極限の状況下でも焦り一つ見せない状態。漫画などのキャラクターの素振りで表現すれば、こんな具合だろうか。

- デスノートのLのようにどんなに凄惨な事件が起きても表情一つ動かさずに、
「次にやるべきことはコレかな」という冷めた反応を示すこと
- 銀河英雄伝説のミッターマイヤーのように、電撃鞭で殴られても、
  不敵な笑みを浮かべられる程の余裕をかますこと

この「中二病」を小5くらいで発症して以来、僕は無敵なフリをする癖が付いてしまった。いや、正確に言えば、自分が無敵になれる状況を作ることに、ここ20年くらい必死になっていた。しかし、そんな無敵病の重篤患者として続けてきたのは、無敵とは正反対の臆病な態度だった。大学時代の恋愛を例に挙げよう。

僕は5年間で「いいな」と感じた人が、少なくとも5人以上は思い出せる。しかし、デートに誘って断られたり、周りのみんなから「高望みだ」と言われるのが怖くて、気になっている女の子には半歩たりとも近付こうとしなかった。自分の気分が下がることによって「エセ無敵状態」が崩れないように、女の子にちょっかいを出せずにいた情けない男。それが無敵を目指した僕の末路だった。

この文章を書いている今も、「大学の友人にこの日記を見られたら、気になっていたのは誰か聞かれるだろうな…」などと、正直ビクビクしている。だが、もし聞かれたら実名を挙げて、少し恥ずかしがるだけでいい。カミングアウトによって顔から火が出るとしても、その話題に関して僕はそれ以降無敵になれるはずだ。なぜなら、もう知っていることであれば怖くないのだから。

パチンコで70万円負けたことのある職場の大先輩。その方が「死にたくなるよね~(笑)」と楽しそうに話しているのを見て、そんなことを思った。